アパート建築営業マンが不動産投資してみた

不動産王になる(はずの)ストーリー✨

✎投資と関係ない本も読んでみよう「フィリピンパブ嬢の社会学」②✎

 

大谷翔平が結婚だそうで。おめでたい。

 

彼がメジャーに行ったのが24歳の時。日本中から注目される中でアメリカに行って活躍するって凄いですよね。私じゃそんなプレッシャーとても耐えられないわ。ちょっとした売上ノルマにも泣き言いってんだから。

 

私が24歳の頃はまだ大学生をやってました。しかも、卒業までにさらに2年を要するわけですが。

 

 

大学院の研究課題のためにフィリピンパブに通う著者。25歳のフィリピンパブ嬢のミカと出会います。当時著者は22歳。

 

調査を進める中で色々な事が分かってきます。2005年以降興行ビザでダンサーとしての来日が難しくなってからは、「偽装結婚」を利用して出稼ぎに来ていることがわかってきました。

 

そして、エージェント(とは名ばかりの)による偽装結婚と来日の斡旋が明らかになってきます。

 

彼女たちは期間3年で契約をします。来日する際のパスポートは全くの他人のもの。日本に来たら見ず知らずの日本人と入籍することになります。そして同じ店で働くホステスとの共同生活が始まります。1年目の給料は6万円でその後1年ごとに1万円上がる。

 

余った給料はどこへ行くか?当然エージェント兼マネージャーに入ることになります。んで、もちろん彼らは組関係。当然転職なんて許されないし、私生活まですべてを管理されているので彼氏を作るのも許されません。

 

しかし、店に通ううちにミカと付き合うことに。おもしろいのは、金持ちの日本人がフィリピンパブにハマっていくというあるあるではなく、当時貧乏学生だった著者になぜかミカのほうから惚れていくのです。

 

ある日ミカから店に呼ばれた著者。お金がないから行けないと断ると千円だけでいいから来てほしいと頼まれます。結局足りない分はミカが埋め合わせていたようです。付き合いが始まった後ミカの部屋に転がり込みます。いわゆるヒモです。そこにマネージャーが突然乗り込んで来て押入れに隠れたり、交際に反対する両親を説得したりと次から次へとトラブルが発生します。

 

一番印象的だったのが、著者とミカとその姉とでフィリピンに行くくだり。大量のお土産と現金40万円を持って帰国します。すると、親戚一同が彼女の実家に集まっている。連れて帰った彼氏の顔を見るためではありません。お金をもらうため。終いには見たこともない親戚?までがお金をもらいに家にやってくる。お金が無くなるまで皆でたかるのだそうだ。

 

 

ミカとリビングに降りて驚いた。20人以上いるだろう。真っ黒に日に焼けた老若男女がリビングいっぱい、テレビでDVDを見ている。歩く隙間もない。

数人がミカを見ると「元気だった?」と声をかけてきたが、ミカに知らん顔をしている人もいる。ミカは「あれは誰だかわからない。」母親によると、母方の遠い親戚だそうだ。

ミカは知らん顔をしている。せっかく会いに来たんだから挨拶ぐらいしたらどうか、というと、ミカは「そんな必要ないよ。お金が欲しいだけなんだから」といった。

フィリピンに来て一週間。ひっきりなしに訪ねてくる親戚たち。その数は100人を軽く越し、その全員に金を配った。そして家族は毎日、豪華な食事や外食、ショッピング。日本から持ってきた40万円はたちまち底をついた。(P153)

 

日本とは全く違う文化ですね。私もフィリピン人の知人に聞いてみたが、本当らしい。働いていない若者は沢山いて、働いている親戚が生活費をあげたり、学費を払ってあげるのが当たり前らしい。

 

最近、海外に出稼ぎに行く日本人が増えていますが、彼らは自分の生活や家族のために出稼ぎに行っているので親戚まで養っている人なんていないですよね。日本の場合は生活できなくなれば行政が助けてくれます。フィリピンでは親戚からの援助がセーフティーネットの役割を果たしているのかもしれないですね。

 

つづく