「ハーバード式不動産投資術」の2回目です。
前回書いたようにこの本では単純に中古の物件を買って運営するわけではなく、土地から買って新築したり、中古の物件を買ってリノベーションを行って、大幅なバリューアップをするのが主題です。(初心者には向かないですね)
中古の物件を買う場合は、すでに賃料と販売価格は決まっていますから利回りも決まっています。その価格と利回りが自分の希望に合っているかどうかを判断するだけです。
一方、新築となると決まっているのは土地の金額だけで、建てる建物のボリュームや家賃は自分でシミュレーションをする必要があります。
このシミュレーションの事を著書の中では「BOE分析法(Back of Envelope)」、つまり封筒の裏に走り書きで簡易シミュレーションをしてみようと勧めています。
例えば、15m×25mの長方形の土地があったとして、そこに1Kが何世帯作れるか、建築費はいくらか、家賃はいくらか、手取りはいくらになるかを封筒の裏に書いてその土地が買いかどうかを判断する。
ちなみに「封筒の裏」ってのは「簡易」の意味ね。日本風に言えば「広告の裏」。
中古を中心に投資している大家さんにはなじみがないかもしれないですが、実は私の本業はこちらです。
新卒の頃から土地を見たらその土地でいくらの収支が上がるのか、現状の収支を予想していくら収支が改善されるのかをすぐに判断できるように訓練されました。
もう職業病で、更地や古アパート、駐車場をみると勝手に頭の中でシミュレーションが始まって、1分あればその土地のポテンシャルを弾けるようになりました。(たぶんアパート建築営業を数年やってると皆がかかる病ですw)
この本の中でも計算方法について書かれています。ただ、著者がお勧めするのはどこにでもあるようなアパートではなくデザイン性が高い建物を建てて差別化を図る狙いなので初心者には難しいと思います。
具体的な簡易計算方法はまたの機会に説明しますが、これができるようになると不動産投資が楽しくなります。土地を見る目が変わってきますよ。土地がいくらの収益を生むかで見るようになってきます。
つづく