アパート建築営業マンが不動産投資してみた

不動産王になる(はずの)ストーリー✨

✎あなたの知らない世界④✎

さて、前回紹介した借地借家法。これは大家さんにとっては非常に脅威になります。入居者を追い出したくてもなかなか追い出せないからです。

 

もちろん、何も過失がない入居者は守られるべきですが、問題のある入居者すらも守ってしまうのがこの法律の恐ろしいところです。

 

では、どうやったら追い出せるのか。それには「正当事由」が必要です。正当事由ってのは大家さんにとってどうしても対象の物件を使わないといけない理由のことです。例えば子供の家を建てるためにアパートを壊したいという場合。これは結構強い事由になります。

 

あとは老朽化。でも、これはちょっと微妙。築何年なら老朽化してるかという決まりはない。旧耐震で地震が来たら危険だから建替えますというのが一般的。しかし、これだけだと弱い。そのため、立退料を支払うことで補填します。

 

そう。要するに金を払って追い出すわけです。家賃の半年から1年分が立退料の相場です。仮に家賃が6万円なら36~60万円です。あとは部屋探しを手伝う。手伝わないといつまで経っても自分で探そうとしないから。

 

 

 

さて、話を戻すとこの入居者は始め、いくらもらおうとも退く気はないと言っていました。お金の問題ではないと。もう大家さんを困らせるのが目的のようです。

 

これまで数年かけて交渉しても退かないことは聞いていたので、我々は初めから明渡し請求訴訟の準備をしていました。

 

会社の顧問弁護士に担当してもらって、アパートの老朽化と自宅の建替えと借主との信頼関係の崩壊を正当事由として提訴しました。驚いたことに相手方は弁護士なし。

 

相手方がいくらイカた奴でも裁判になると判決までは1年はかかります。こちらは途中でいくらか払って和解に持ち込む計画でした。結局最終的に和解になるのですが、予想外だったのが和解金の額です。

 

大家さんとしては、いくらでもいいから早く片づけたい意向でした。そのため、和解案として相手からでてきた条件400万円をあっさり承諾してしまいました。400万円というと破格です。破壊的に高額。もし判決までいけば店舗ならば営業補償金が必要なので高額になりますが、普通のアパートであれば100万円もいきません。

 

最終的に立ち退きに合意しましたが、その後の部屋探しもすごく苦労しました。そして引越しも。この入居者、とんでもない量の本を持っていました。本の重みでアパートの床が抜けたほどです。

 

立退き完了後にアパートは無事建替えることができました。しかしまあ、可哀そうなのは彼が引っ越していった先の大家さんです。おそらくまた大家さんに何かとクレームをつけて喧嘩を吹っかけているはずです。

 

こんな入居者に当たらないようにするにはどうしたらいいか。まずは保証会社加入を必須にすること。保証会社の審査に通らない人は何かしらトラブルを起こします。そして、「定期借家契約」にすること。この契約は2年で締結すれば2年で終了します。仮に入居者が立ち退かなくても、定期借家契約が切れた後に明け渡し提訴したら即結審。大家が勝ちます。そして、問題ない入居者であれば再度契約することも可能です。

 

こんなババは引きたくないですね。