「東京の建築費、最高更新」
12日の日経の記事です。
高騰の主な原因は人員不足による人工代の上昇で特に鉄筋、型枠等コンクリートに関わる職人の不足が深刻のようです。
確かに基礎屋の不足は長年続いていますよね。
以前にもちょっと触れましたが建築費の高騰は投資家(だけ)に重くのしかかってきます。
さて、このグラフ見てください。
リーマンショック以降(2010年~)デフレスパイラルで物価も給料も上がっていない中で建築費は順調に上がっています。
値上げをできた理由は以前にも書いたように、建築費は定価がないもので、そうそう何度も買うものではないのでジワリジワリと上げることができたのです。
実にリーマンショック以降40%も高騰しています。
では、家賃はというと。
アメリカ(青)と同じくらい家賃が上がっていれば、建築費が40%上がっても投資家は利益を確保できたでしょうが、日本の賃料(オレンジ)は2013年から2%しか上がっていません。
これで今新築すると儲かるのはハウスメーカーだけで、割を食うのは投資家というのがご理解いただけたでしょうか。
この状況から「今後も建築費は高騰が続くので、早く建てましょう」って営業トークで契約を迫る業者もいます。
でもよく考えてみてください。建築費と家賃のギャップがこれ以上開いたらどうなります?もうハウスメーカーでアパートを建てる人なんていなくなりますよ。最終的にはハウスメーカーがアパートを請負う業態自体が崩壊するでしょうね。
じゃあどうしたらいいか?まず、今は新築は控えましょう。どうしても新築する必要があるなら地場の工務店を探してみてください。ハウスメーカーより三割くらいは安く建てられますよ。