投資系のブログを書いている方は皆それぞれ学習をしていて、その知識と経験を共有したいからブログで発信をしているのだと思う。私もそうだ。前にも述べたように、騙されたり、損をしたりする人を減らしたいと思っている。
でも、よくよく考えると周りのリテラシーが低い方が私が勝つ確率は高まる。不動産の売買はゼロサムゲームであり、相手側が手練れであれば売買においては不利になるのだ。
株も同じ。周りが皆素人なら自分がスーパートレーダーにならなくても負ける可能性は無くなる。
しかし、残念ながら世の中そんなに都合よくはできていない。自分だけが知っていると思っている儲かる情報もあっという間に市場に知れ渡り皆の知るところとなるのだ。
「①すべての投資家が持つポートフォリオを合計すると、市場に存在する全ての株式の時価総額になる。
②すべての合理的な投資家は、効率的市場では、同一のポートフォリオを保有している。
③となると、投資家が保有するもっとも効率的なポートフォリオは、市場に存在するすべての株式を、市場に存在するだけ保有したものになる。」(P154)
つまり、数多くのノーベル賞学者が出した「経済学的にもっとも正しい投資法」とはインデックスファンドを買ってジッとしておくことなのだ。
「株式市場はおおむね効率的であるが、わずかな歪みが生じている。」(P167)
この歪みを見つけられた人は個別株で勝つことができる。しかし、誰にでも見つけられるものではないから短時間で大勝ちする人は稀なのだ。
最後に氏は金融リテラシーについて、こう述べている。
「企業が金融市場から資金を調達する手段は、一般に融資、社債発行、新株発行の3つがある。いずれを利用しても、投資組合をつくって個人投資家を募るよりずっと効率的に資金を集めることができる。」(P171)
一般的な資金調達方法よりも高い経費を払ってでも資金を集める理由は一つしかない。上記の方法で資金を調達できないのだ。つまり、銀行や投資家が資金を出せないと判断したということだ。利回り10%をうたうアヤシイ商品にはそういった理由があるのだ。
「金融リテラシーとは、こうした「おいしい話」の背後に潜む罠を、常識と合理的な推論によって読み解く技術である。それはべつに、高度な知識や特別な情報を必要とするものではない。」(P172)
終わり